スクウェア・エニックスのプロデューサー安藤武博氏が、自身が所属する同社特モバイル二部のやりたいこととして「ソーシャルゲームを無くてしまうこと」とコメントしました。(詳細は続きへ…)
安藤武博氏は、爆弾解体ゲーム『鈴木爆発』や人生を格闘するゲーム『ヘビーメタルサンダー』など、個性的なタイトルで知られるゲームクリエイター。自身の作品として初めて商業的な成功を収めたiPod用ゲーム『ソングサマナー』以降は、主にスマートフォン向けゲームのプロデュースを担当している人物です。
同氏によると、Facebook向けアプリ『Knights of the Crystals』を皮切りに、GREEのオープンプラットフォーム化に伴って、前述作品をケータイ向けにアレンジした『ナイツオブクリスタル』のリリースからソーシャルゲームを作っており、日本のソーシャルゲームの歴史と同じくらいの期間、当事者として関わっているとのこと。そんな安藤氏が「これからは“そういうの”は終わり。なぜならば、あまりにも似たようなゲームが相変わらずリリースされ続けているから」と現状に問題提起しました。
同氏は「ゲームの面白さを磨くよりも、いかにしてお客様からお金をいただくかという、いわば“集金の仕組み”を磨くことに重きが置かれることがよくあった」とし、ゲームプレイをいかにお金に変えていくかは面白さを支えるために重要ではあるものの、そればかりだとゲーム自体を愛するユーザーから疎まれてしまうのは当然とし、そういった内容のソーシャルゲームが氾濫した結果、ソーシャルゲームという言葉の本来の意味合いが「カードとガチャで搾取する、似たような内容のゲームたち」へと変化し、忌み嫌われていることに危機感を持っていると話します。
実際、ソーシャルゲームはひとつのゲームプラットフォームとして市場が成立したにも関わらず、従来ゲームファンからは敬遠される存在になっており、それを支えるのは“そういうもの”を好む新しいゲームファンたち。安藤氏は、その新しいゲームファンたち向けに現在の路線を貫けばいいと感じてしまうという正直な気持ちも吐露しつつ、その考えを「断じてそんなことはあり得ない」と強く否定しています。なぜなら「ゲームのようなエンターテインメントの世界で、同じようなものだけが中長期に渡ってお客様に愛され続けることは、まず無い」から。そして氏は「カード+ガチャの遊びはいちジャンルとして良い物は発展して残す」一方で、「新しい面白さにたくさん挑戦していくというのが、今年の我々がやること」と意思表明。その意志のもと作られていくのはソーシャル性の有無に左右されない「スマホで動くとにかく面白いゲーム」です。今後はケータイとゲーム機の垣根も取り払われていくので、その積み重ねが続けば、もはや「ソーシャルゲーム」という呼称は無くなるだろうと氏は語ります。いわく「最近のゲームで最も優れたソーシャル性を持つ『とびだせ どうぶつの森』をソーシャルゲームと呼ぶ人はいない。ゆえに、面白ければソーシャルゲームもゲームでいいと思うし、新しい素敵な呼び方が出来てもいい」とのこと。
氏は、ゲームセンターという言葉と施設へのイメージが薄暗い不良の溜まり場として社会悪になった時代、業界が一丸となってオープンなアミューズメント施設を標榜し、見事悪いイメージを払拭したという事例を挙げつつ、現在のソーシャルゲームやスマートフォンゲームにまとわりつく負のイメージを取り払うためにも、似たり寄ったりのソーシャルゲームを作っている企業に対して「ぜひ新しいチャレンジをして欲しい」と訴えかけています。
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